
富岡八幡宮「御鎮座400年記念事業」の目玉の一つ「客殿」がついに完成。ヒノキと光が織りなす館内は、約1年間「仮本殿」として使用される。
「仮本殿」としての役目も
富岡八幡宮の境内西側に、新たな歴史の1ページを刻む「客殿」が完成した。令和9年に迎える「御鎮座400年記念事業」の第1弾として新築され、5月15日に竣工式、26日には遷座祭が行なわれた。
客殿は、改修工事中の社殿に代わり、来年6月まで神様が鎮まる「仮本殿」として使用され、その後は参拝者の控室や直会場などとして活用される予定だ。
新たにお目見えした客殿は、真っ白な外壁と、陽光を受けてきらきらと輝く銅板葺きの屋根が印象的な和モダンの佇まい。建物の完成に合わせて周囲の見通しも良くなり、境内から深川公園や深川不動堂まで見渡せるようになった。

延床面積は約1123平方メートル。地上1階・地下1階の2フロアからなる館内に足を踏み入れると、まず驚くのが上階の清々しさ。木材がふんだんに使用され、壁面には美しいヒノキの縦格子、天井にも大胆に木材が装飾され、和の趣を際立たせている。
大きな窓からは自然光がたっぷりと差し込み、祭壇の背後にはガラス越しに神木の豊かな緑が映える。まるでご神徳を全身に授かるような、神聖で心地よい空間だ。このフロアには、御朱印の授与所や応接室なども設けられている。
下階は最新設備を備えた広々とした広間。天井には巴紋がさりげなく散りばめられ、遊び心も感じさせる。2台のプロジェクターや厨房も備え、今後は祭典後の直会(なおらい)にも活用される予定だ。

バリアフリーにも配慮し、エレベーターを設置。各フロアには授乳室も完備され、車イス利用者や小さな子ども連れでも安心して参拝できる。

設計を担当した種村強建築設計の馬場永泰さんは「拝殿として使用した後、参拝者の控室となることを見据え、近代的でありながら神社らしい香りを残しつつ、社殿と並んでも違和感のない、バランスの取れた建物を目指した」と話す。
一方、昭和31年に建てられた現在の社殿は、5月から大規模改修工事に入った。老朽化に対応するため、耐震補強や屋根の葺き替えなどを行ない、来年6月の完成を目指す。
現在、社殿屋根の葺き替えに使用される「銅板奉納」を受け付けている。自分たちの手で神社の伝統を守る貴重なチャンス。残りわずかのため、奉納したい人はお早目に。

◎富岡八幡宮【公式サイト】
江東区富岡1-20-3 TEL.03-3642-1315
※この記事はタウン誌「深川」290号に掲載したものです。


