森下一丁目で自転車屋さんを営む白川裕士さん(58)は、八名川地域をこよなく愛する一人。母校である八名川小学校でも、PTA会長を務めた後は小学校の応援団「やながわファミリー」も組織し、やながわ新聞の発行をはじめ学校の芝生の管理、花壇の手入れ、句会や講座などを開き、学校と地域の関わりを積極的に推し進めてきた。
昨年10月には八名川小が区内で初めてコミュニティ・スクール制度を導入したことから、学校運営に携わる団体「チームやながわ」会長にも就任。「コミュニティ・スクールは企業に例えるなら株主総会に参加できるようなもので、学校に対して地域として意見できる制度」と白川さん。
文部科学省は10年ほど前から地域の声を積極的に生かし、地域と一体になった特色ある学校づくりを進めている。コミュニティ・スクールは、学校・保護者・地域住民が知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、子どもたちの豊かな成長を支えようという制度だ。
全国の公立学校ではすでに9788校(令和2年7月1日現在)が導入済みだが、江東区は令和2年に「地域学校協働本部」を設置し、各校のコーディネーターを中心に運営の仕組みづくりを進めている。白川さんは各校を統括するコーディネーターも務めている。
「この制度は先生の働き方改革にもつながるのでは。例えば、先生が行なっている登校の見守り活動は地域で担うこともできる。でも、やっぱり大事なのは助け合い。昔のように地域の子と顔見知りになって、いけない事をしたら他人の子でも叱る。地域みんなで子どもを育てる機会になればうれしい」。
白川さんは地域の一体感を出したいと、自転車カゴに取り付けられる「チームやながわ」のオリジナルマークも制作し、保護者に配布。「地域の子供たちの安心・安全のためのパトロールを行なうとともに、すれ違った同士でもすぐに仲間だと感じてもらえるから」という。
今後は地域にも配布したいと話していた。
※この記事はタウン誌「深川」261号に掲載したものです。