富岡八幡宮の境内で、神社の一年をテーマにした屋外写真展が7月10日(木)からスタート。展示場所は、再来年の御鎮座400年に向けて工事が進む「客殿」の仮囲い。横約8メートル、縦約3メートルの囲いが2面、合計27点の作品がインクジェットフィルムで大胆に彩られている。

この写真展を手がけたのは、写真家の佐藤倫子さん。
佐藤さんは、八幡宮の氏子の一つでかつての漁師町・深濱(ふかはま)の神輿と祭りに関わる人々の姿を写真家として追い続けてきた。昨年6月には写真展『深濱』も開催し、これがきっかけとなり、現在は神社の“公式カメラマン”としても活動中。

毎月1日・15日の月次祭やお正月、節分会、針供養など、季節ごとの行事はもちろん、境内の風景や神職の表情まで、カメラを片手に神社の日常と真摯に向き合っている。
「私にとっては、見るものすべてが初めて。神様や参拝者の邪魔にならずに、理想的な一枚をどう切り取るか。まだまだ模索中です」と語る佐藤さん。なんと1日で1万枚近くシャッターを切ることもあり、今回の展示作品も膨大な写真の中から厳選されたものだ。

大規模な屋外展示は今回が初挑戦。「初めて個展を開いたときと同じくらいドキドキしています」と笑顔を見せつつ、遠くからでも写真が映えるよう、あえてランダムに配置するなど、見せ方にも工夫を凝らしている。
作品からは、四季の移ろいや神社の荘厳な空気、そして地域に根ざした温もりが伝わってくる。「この展示をきっかけに、富岡八幡宮の新たな魅力に気づいてもらえたら」。佐藤さんは400年祭が行なわれる2年後まで、まだまだ写真を撮り続けたいと話している。
写真展は2026年4月までのロングラン開催(8時~17時)。富岡八幡宮が歩む「今」を、写真を通してぜひ体感してみて。
◎富岡八幡宮 境内 江東区富岡1-20-3 TEL.03-3642-1315
