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【屋号ものがたりVol.12】うなぎ『深川 大和田』

親父のような職人でありたい

 江戸時代の代表的な食といえば寿司・うなぎ・天ぷら・蕎麦が庶民に親しまれていた。中でもうなぎは店の番付が登場するほどの人気ぶり。嘉永5年(1852)の「江戸前大蒲焼番付」に行司として大きく載っている店が『大和田』で、江戸には暖簾分けした店がいくつもあった。平成元年(1989)、深川不動堂の目と鼻の先に屋号『大和田』を掲げたのが初代の見波岑男(みねお)さん。今は長男の左門さん(45)が二代目として腕を振るっている。

 「親父が生まれ育ったこの地で店を開く時に、うなぎ調理師会の会長だった方から『大和田』の屋号を許されたんだそうです」。店は先代からの常連さんも数多く、江戸前のちょっと辛めのタレはつぎ足しながら、店独自の味を守り続けている。

見波左門さんと妻の裕美さん

 「深川は養殖うなぎの発祥の地なんですよ。それが浜名湖へ移ったそうです」。うなぎの良し悪しは育て方で決まるという。また、うなぎ問屋で働いた経験もあり、目利きを活かして毎日、活うなぎにこだわって調理している。

 左門さんは子どもの頃から職人としての父親を尊敬し、18歳で岑男さんも修業した京都の料亭で日本料理を4年間学んだ。その後、日本橋や浅草など、うなぎの名店で20年ほど修業を積んだ。

 「外に出てみて初めて、親父は職人としてスゴイ人だと思った。その親父が亡くなる少し前に〝きれいに焼けてる、良いうなぎだ〟って。ほめるような人じゃなかったから嬉しかったですね」。

 縁日が盛んだった頃と比べると、参道の店もずいぶん様変わりをしている。左門さんは「これからも初心を忘れずに、深川といえば『大和田』と言われる店になりたい」と熱く話してくれた。

うな重特上4,250円、松3,500円、竹2,750円、うな丼2,000円。テイクアウトは箱代100円プラス(電話注文可)。7/28の土用丑の日は事前注文を。

うなぎ『深川 大和田』 江東区富岡1-15-4(不動尊仲見世通り)
TEL.03-3630-5527 営業時間/11:30~17:00 火曜日定休(縁日の場合は翌日)


※この記事はタウン誌「深川」260号に掲載したものです。