「深川七不思議」にまつわる7つの怪事件と、呪祓師(じゅふつし)たちをめぐる数奇な運命を描いた時代ファンタジー小説『夜と月の呪祓師 異聞深川七不思議』(水川清子著)を、地元の小さな出版社、猿江商會が刊行。
代表の古川聡彦さんは「深川は一皮めくれば怪異な土地としての顔がある。本書で描かれる『深川七不思議』を通じて、そうした消えゆく土地の記憶を語り継いでほしい」と話している。
「深川七不思議」は諸説あるが明治半ばにはすでにあり、「永代の落橋」「八幡山の破れ障子」「仙台堀血染めの下駄」など、本所七不思議に倣い7つを寄せ集めたとされる。
古川さんは創業時から地元・深川に関する書籍を出したいとの思いが強く、2016年には深川「怪異」のアンソロジー『あやかしの深川』(東雅夫編)も刊行した。その際、編者の東さんが深川七不思議の古い文献を発見。いつか七不思議をテーマに小説化したいと温めてきた。
深川七不思議の謎を解き明かす、祓い手の夜次(やじ)と祈り手の永月(えいげつ)の2人が織りなすストーリーは、 中・高校生から楽しめる。夏休みの一冊にもおすすめだ。
水川清子著 猿江商會刊 定価1,700円+税 【猿江商會刊サイト】
※この記事はタウン誌「深川」272号に掲載したものです。価格は変更になる場合があります。