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「師匠との思い出の稽古場をカフェに」お茶やシャンパンが楽しめる『祿庵(ろくあん)』。深川不動堂の参道にオープン!

深川不動堂の参道にカフェ『祿庵(ろくあん)』が1月11日(土)にオープン。格子戸を開けると、木製のすっきりとしたカウンターにイスが7席。こだわりの抹茶、台湾茶、中国茶、甘味、シャンパンやワインなど、主に地元で仕入れた″いいものを気軽に〟楽しめるカフェだ。

運営しているのは、日本舞踊家・若柳禄寿さん(享年90歳)の門弟たち。禄寿さんはこの場所に稽古場を持ち「若禄会」を主宰。テレビの黎明期から「シャボン玉ホリデー」といった人気番組や舞台の振付、NHKではドラマの所作指導としても活躍したが、一昨年に多くの門弟たちに見送られこの世を去った。

師匠の写真を掲げる亘理智子さん(右)と神田陽子さん(左)

「師匠が守ってきた稽古場を残す方法を門弟たちで話し合い、相続された身内の方のご好意で引き続き弟子たちで使えるようにと、このような形になりました」とは、カフェと稽古場を運営する(株)禄寿会代表の亘理智子(若柳右禄寿)さんと講談師の神田陽子さん。

亘理さんは「若禄会」に3歳で入門。今は『深川亭』と名付けた2階の稽古場で、毎週水曜日に師範として稽古。本業は演劇製作で、父はかつて新大橋にあった劇場ベニサン・ピットの総支配人・亘理幸造さん。智子さん自身もベニサンを拠点に活動していたそう。

また、女性講談師の先がけでもある神田陽子さんは、日本舞踊名取の若柳恵禄。師匠にほれ込み弟子入りし、10年前には稽古場のある深川に移住。区内で積極的に寄席も行なうなど、地元にゆかりの深いお二人だ。

まだまだ手探り状態というが、深川には噺家さんが多いことから、今後は2階で寄席や日本舞踊のイベントなども企画したいと話している。

亘理さんがとくにこだわる台湾茶はポットサービスで1,000円、甘味とセットで1,500円

「まちの人やインバウンド客など、日本の伝統文化に触れるきっかけのカフェにしたい。どうぞお気軽にいらしてください」と亘理さん。

師匠との思い出が詰まったこの地で、お二人の新たなチャレンジは始まったばかりだ。

◎カフェ『祿庵』14〜19時/水・木曜休 ※縁日は営業
江東区富岡1-12-2 TEL.03-3643-0610 【公式サイト


※この記事はタウン誌「深川」282号に掲載したものです。料金など変更になり場合があります。