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【屋号ものがたりVol.17】 日本料理『味久(あじきゅう)』

四季の恵みを活かした日本料理に心ひかれて

二代目・平井伸和さん

定休日の午後、広い厨房では5台のガスコンロがフル稼働していた。朝早くから妻の愛さんと2人で茨城県まで、タケノコ堀りに出かけ、その日のうちにアク抜きをしている最中だった。「タケノコの時季は毎年こんな感じ。鮮度が大事ですから」とは『味久』の二代目・平井伸和さん(53歳)。

タケノコの時季には色々なタケノコ料理が味わえる

父の故・孝慈さんは「ホテル三日月」(千葉県)の料理人で、東京に出店の際、店を任されて上京。その後、昭和47年に独立。浅草橋に夫婦2人で小さな割烹店を開いた。店名は幾久しく親しまれる店にとの願いを込めて『味久』に。

看板はヒノキの銘木

現在地に店を移転したのは昭和56年。20年ほど前に車椅子のお客様にも味わってほしいと、エレベーター付の店舗に建て替えた。

伸和さんは「小学生の頃から料理に興味があって、夏休みには河岸にもついて行きましたよ。自分自身が料理人になると決めたのは大学3年生の時です」。

以来、料理専門学校と大学を掛け持ちしながらの毎日。料理学校の紹介で、日本料理の名店「吉祥」などで約7年修業し、本格的な日本料理を学び、29歳の時に店に入る。「最初は意見が合わなかったけど、修業のつもりで親父の言うことに口出ししませんでした。うちは旬の魚がウリで、初夏から秋はアジ、カツオですね。親父の代から野菜たっぷりのカツオのタタキが人気です」。

厚切りのカツオに野菜たっぷりの「カツオのたたき」

今は海外でも人気の日本料理。そのためか、刺身や天ぷらを食べにくる外国人も増え、和食によく合う日本酒にもこだわっている。中でも福井県の「黒龍」がおすすめだとか。

自分で選んだ道を極める難しさを痛感しながらも、愛さんと共に幾久しく親しまれる味を守り続けたいと、語っていた。

日本料理『味久』/江東区扇橋2-20-1 ☎03-3645-3027
11:00~13:00(L.0)/17:00~21:00(L.O)/月曜日定休


※この記事はタウン誌「深川」271号に掲載したものです。