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【屋号ものがたりVol.13】Bar『オーパ』

時代に沿った店づくりを目指して!

黒のジャケットに蝶ネクタイ、カウンター越しにシェイカーを振るパフォーマンスを眺めていると、カクテルへの期待が高まってくる。創業者の故・大槻健二さんが銀座1丁目にバー『オーパ』を開業して25周年、門前仲町店は20周年を迎える。

「節目の年に緊急事態宣言が続き、とても残念です」とはオープン以来、公私ともに歩んできた妻の麗子さん。47歳の若さで他界した健二さんの思い入れ深い店を引き継ぐ。

江東区生まれのオーナー大槻麗子さん

店名は健二さんが愛読していた芥川賞作家でもある開高健の作品から名付けられた。ポルトガル語で「おおっ」という驚きのことば。美味しいものや美味しいお酒に出合ったときに「オーパ! オーパ!」と叫ぶのだとか。

健二さんはニューヨークでバーテンダーの修業を積み、帰国後、銀座店をオープンした年にバーテンダーコンクールで日本一に輝いた。これまで日本バーテンダー協会の重鎮として若手の育成にも力を注ぎ、多くの一流バーテンダーを輩出してきた。

店をオープンした20年前の門前仲町は、まだ本格的バー未開の地域。自宅のある富岡近くに立ち寄りたいバーが一軒も無かったことから、銀座店よりもカジュアルで手軽にお酒やフードが楽しめる店をオープンさせた。

店の看板メニューは「ジントニック」。酸味やジンの割合などで、店の味の特長がわかるという。

こだわりのカウンターはめったに手に入らないカリン材の一枚板

「25年間、店を支えてくれたスタッフやお客様に感謝です。創業者のチャレンジ精神を守りながらも時代の流れに沿って勉強することが山積みです。緊急事態宣言中もスタッフと共にモクテル(ノンアルコールカクテル)の試作やSNSで常に新しい情報発信をしています」。

健二さんが闘病生活中、詳細に書き綴ったレシピ全89の『カクテルブック』を基本に、麗子さん流のバー『オーパ』へのさらなるチャレンジは続く。

Barオーパ 江東区富岡1-25-4 ニックハイム八幡2F TEL.5245-3539 日祝日定休
※営業時間は公式サイトをご確認ください。


 

※この記事はタウン誌「深川」261号に掲載したものです。