クスリだけでなく、これからは心の元気が必要です
かつての洲崎遊郭に続く大門通り沿いにある「三木青雲堂薬局」は大正2年創業。現在の地で106年、四代目の一ノ瀬顕輔さん(42)が店を継いでいる。母方の曾祖父に当たる三木覚造さんが「青雲堂薬局三木薬行」の看板を掲げたのが始まり。青雲堂の名の由来は定かではないが、三木は姓から付けられた。
顕輔さんの祖父二代目・一ノ瀬英雄さんの頃は「紅白薬業協同組合」をつくり、組合でまとめて薬を調剤し、組合員それぞれの店名を入れたパッケージに詰めて販売していたそうだ。
「当時の宣伝用チラシを見ると、クスリ以外に、今のドラックストアのような日用品も扱っていたようです」と顕輔さん。薬剤師の資格を持つ顕輔さんは、薬事法の改正により、23歳という若さで四代目を継ぐ。この時に屋号を「三木青雲堂薬局」と改めた。
この10月、店を全面リニューアル。ここは薬局なのだろうか? グレーを基調とした落ち着いた雰囲気にこだわりの商品が整然と並び、店内奥には真っ白な明るい調剤室、そして最も特長的なのはキッチン付きのコミュニティスペースを設けたことだ。
「老舗の薬屋が健康相談、処方箋調剤に加え地域とコラボしてワクワクする場を提供することにより〝体〟〝心〟〝社会〟という健康の大原則に効く〝薬〟になることを目指しています」。
新しい薬局像を作り上げることで、顕輔さんのモットーでもある「一笑元氣」を一歩一歩、実現している。
※この記事はタウン誌「深川」251号に掲載したものです。