今年(2025)10月25日(土)~27日(月)行なわれる大栄山永代寺の大師講による参拝旅行。「内容が気になる」という方のために、昨年の参拝旅行(富岡八幡宮と合同)に同行した時の取材記事を掲載します(この時は伊勢も周りました)。
2024年11月10日(日)〜12日(火)、富岡八幡宮崇敬会と永代寺永代講の約40人が2泊3日の参拝旅行を実施。記念すべき初の合同旅行に同行し、永代寺の本山でもある高野山と伊勢神宮の二大聖地をめぐった。

高野山と伊勢という日本の二大聖地をめぐるきっかけは、富岡八幡宮が令和9年に御鎮座400年を迎えることから、永代寺の前田友義副住職の提案で実現したという。神仏習合が一般的だった江戸時代は、永代寺が別当寺として富岡八幡宮をお祀りしていたという歴史がある。当時の永代寺は廃寺となり、塔頭の吉祥院が受け継ぎ再興した。
このような縁を背景に、一行は早朝の東京駅に集合し、東海道新幹線の新大阪駅で観光バスに乗り換え約5時間。弘法大師を高野山に導いたと伝わる、和歌山県高野山麓の天野盆地にある丹生都比売(にうつひめ)神社に参拝。ここから高野山までは車で30分ほどだ。
世界遺産にも登録されている高野山は、8つの山に囲まれた海抜約千メートルの盆地で、117の寺院が集まる真言密教の聖地。弘法大師(空海)が約1200年前に開き、地元の人々は親しみを込めて「お山」と呼ぶ。一行は授戒堂で「お授戒」という暗闇の中で行なわれる儀式に参列し、高野山のシンボル「壇上伽藍」や高野山真言宗の総本山「金剛峯寺」を訪問した。


宿泊地は参拝の旅にふさわしく龍泉院の宿坊。ご住職の85歳になられるお母上が作られたという精進料理や般若湯(お酒)もいただき、長い1日を終えたのだった。

2日目は6時半から朝のお勤めで始まり、くつろぐ間もなく高野山の中心地で弘法大師の御廟がある「奥之院」。樹齢千年を超えるという杉木立が続く参道には、おびただしい数の墓石や供養塔が並ぶ。戦国武将や大名、企業や一般の人まで幅広い。

中には鳥居を構えた供養塔もあり、地元ガイドさんによると神仏や宗派も関係ないのだという。高野山には弘法大師が丹生明神・高野明神を祀った「御社(みやしろ)」もあり、神仏混合の歴史を垣間見れる。
奥之院燈籠堂にある地下法場は、弘法大師を最も身近に感じられる場所。「この世でまず皆さんが幸せになるよう祈ってください」とお話しくださった、龍泉院のご住職のことばを思い出し、一心に祈った。
ここから再びバスに乗り、目指すは伊勢。途中、大阪市天王寺区にある宮大工集団「金剛組」を見学したが、創業はなんと聖徳太子の時代578年。世界最古の企業といわれている。三重県伊勢に到着したのは17時頃。宿泊地は鳥羽市内の大型ホテルで、名物の温泉につかり、夜の宴会はビンゴゲームやカラオケなど、団体旅行ならではの催しを楽しんだ。

参拝旅行はとにかく朝が早い。最終日も8時にはホテルを出発し伊勢神宮へ向かった。伊勢神宮は正式には「神宮」といい、「内宮」「外宮」をはじめ125社からなる。内宮は天照御大神(あまてらすおおみかみ/皇大神宮)、外宮は豊受大御神(とようけのおおかみ)を祀り、20年に一度、社殿や神宝を新調する「式年遷宮」という大切な神事もある。前回は平成25年に行なわれ、新宮に白石を奉献する「御白石持神事」には、江東区内の神社崇敬者も多数参加した。次回は令和15年で、新年から遷宮に向けた神事が始まるという。


富岡八幡宮の丸山聡一宮司の案内付きで外宮、内宮を御垣内参拝し、内宮では神楽殿で優美な雅楽と舞を見て感動。神宮は「日本人の心のふるさと」とも言われるが、何度訪れても厳かな、清々しい気持ちにさせてくれる聖地だ。
2泊3日を共にした参加者同士の交流も生まれ「またご一緒したい」という声も聞かれたほど、和やかで意義のある参拝旅行となった。
◆2025年10月25日(土)~27日(月)の参拝旅行の詳細はこちら
※この記事はタウン誌深川281号に掲載したものです。