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地下鉄8号線開通でまちはどう変わる?千石地区周辺の住民によるまちづくり活動

地下鉄8号線(有楽町線)豊洲〜住吉間の延伸工事が、やっと昨年11月から始まった。整備されるのは有楽町線豊洲駅から分岐して東西線東陽町駅を経由し、半蔵門線住吉駅までの延長約5.2km。途中に枝川駅と千石駅(いずれも仮称)が新設される。総事業費は約2690億円、開業目標は2030年代半ばとされる。

昨年6月には新駅を中心とした周辺地区の住民や企業による「まちづくり協議会」も設立。

2月9日(日)に小松橋区民館で「(仮称)千石駅周辺地区まちづくり協議会」が経過報告会を行ない、大久保朋果江東区長や地域住民ら約50人が出席。これまでの活動や地区の現況、駅周辺地区が目指すまちづくりの提案など、約1時間半かけて報告した。

協議会の報告以外にも志村教授や枝川地区の協議会による講演が行なわれた

協議会の会員は千田・千石・石島・海辺・扇橋の町会や地元住民・企業の32人で、アドバイザーとして芝浦工業大学の志村秀明教授も参加。地域の意見を集約し、今年6月に提案書を区に提出するという。

報告会の冒頭、同協議会の会長で保護司の黒澤典子さんは「これまで協議会では夢を語り合いましょうと意見交換してきました。会員と住民の意見を大きく膨らませて行政に届け、まちづくりに活かしてもらいたい」と笑顔で挨拶した。

左から黒澤典子会長と浅野静雄副会長

この地区は過去15年で人口が30%増え、なかでも扇橋は80%も増加。運河と親水公園に囲まれた地域のため、公園や緑が多く子育てに適している点などが魅力として紹介された。一方、商業環境が少なく歩道が狭いことなどが今後の課題となった。

また、下町らしい文化や商店街を中心とした地域コミュニティなど、豊かな地域資源を活かしたまちづくりも提案され、訪れた人たちは熱心に聞き入っていた。

黒澤会長は「8号線が開通すれば利便性の向上と同時にまちが賑わう。豊洲地域と乗り換えなしでつながることで、この地区もより良いまちに発展する可能性があると思う」と期待を寄せ、今後も有志で活動を続けていきたいと話していた。


※この記事はタウン誌「深川」282号に掲載したものです。