今年6月オープンした「藹々(あいあい)」は、ウェルフェアトレードの雑貨屋さん。センスよく並べられたドライフラワー、スパニッシュ織り、イタリアンレザーのブックカバー、木のおもちゃなど、福祉事業所で障がいのある人たちが制作した商品を中心に、アフリカやアジアのフェアトレード商品も扱っている。いずれもクオリティの高さと手づくりの温かさがウリだが、価格は比較的リーズナブル。
「ドライフラワーは所沢市のきぼう工房の商品で、花を育てるところから作業しているんです。がんばって作ったなァと感動します」とは、オーナーの豊田さち子さん(74)。若い頃からフェアトレードに関心を持っていたといい「これが私の最後の終活」と笑顔で話す。
店内に並ぶ商品は豊田さんが実際に商品を見て交渉。現在、全国6カ所の福祉事業所から仕入れて販売しているが、まだまだ増やしていきたいと意気込んでいる。
だが、ウェルフェアトレードの商品は、販売価格が低く設定されているうえ掛け率も高く、収益に繋げるのは難しいという。
「福祉だから安いのが当たり前という考えがどうしても生まれてしまいます。まさにフェアではないのです。どの商品も時間をかけて丁寧につくられています。福祉の眼鏡をはずして実物に見て触れてほしい」。
豊田さんの挑戦は始まったばかりだ。
◎江東区白河1-4-15/11時〜18時(月・火・水曜定休) 【公式Instagram】
※この記事はタウン誌「深川」279号に掲載したものです。