かえつ有明中・高等学校(東雲2)の高校2・3年生9人が、東京木材市場から提供された古材を活用し、校内の一角で「小屋づくり」に取り組んでいる。生徒たちは「木のまち・新木場の魅力と、ものづくりの楽しさを伝える場所にしたい」と話し、今年9月の完成を目指している。

このプロジェクトに挑んでいるのは、昨年4月に発足した「ものづくりプロジェクト」チームの生徒たち。校内に新設された芸術棟を拠点に、ものづくりへの好奇心から活動をスタートさせた。部活動や授業の一環ではなく、生徒による自主活動として、これまで将棋盤と駒や組木、校内の図書ルームの大型テーブルなどを制作。新木場の材木店の端材を活用したワークショップなども行なっている。
昨年11月、新木場の東京木材市場のセリを見学したことが縁となり、市場からヒノキなどの古材400本を無償で提供された。小屋づくりはこの古材を活用し、当初は木材を保管するための計画だったが、衰退しつつある新木場の木材業界を目の当たりにし、次第に生徒・地域・木材産業をつなぐ場にしたいという思いが強まったという。
小屋は幅約7.3m、奥行き2.5m、高さ3mで芸術棟の裏に設置される。ワークショップスペースも設ける予定だ。建築の知識は動画投稿サイトや芸術棟をデザインした建築士から学び、生徒たち自身で、設計図や3Dモデル、模型の作成から、建築方法の検討、実際の建築作業まですべて行なっている。一部には金閣寺でも用いられている「相欠き継ぎ」という、伝統的な木材接合技術にもチャレンジする。

また、学校側の許可を得るためプレゼンテーションも行ない60万円の予算を確保。東京都の建築法規も確認し、今年3月にはコンクリート400kgを仕入れ、基礎工事に着工した。
生徒たちは6月5日(木)に東京木材市場の「買い方組合結成72周年記念市」で講演を行ない、約40人の関係者にプロジェクトの内容や目的を説明。「新木場の方々に感謝し、何世代も受け継がれる小屋にしていきたい」と、大きな夢も語った。
木材を提供した東京木材市場の菊地實さんは「彼らのまっすぐ物事に取り組む姿勢には感心するばかり。これからも人のため、地域のために行動できる人に育ってほしい」と、期待を寄せていた。
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※この記事はタウン誌「深川」284号に掲載したものです。