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清瀬市から砂町文化センターへ、江東区で「石田波郷新人賞」が復活!

石田波郷(砂町文化センター提供)

俳句作家の若手の登竜門として注目されていた清瀬市の「石田波郷新人賞」は、一昨年の第15回大会をもって惜しまれながら終了したが、このほど砂町文化センターが石田波郷記念館開設25周年記念事業として、波郷新人賞を引き継ぐことになった。

波郷は戦後の12年間を江東区砂町で暮らし、当時の江東区の様子を「焦土」として多くの俳句に詠んでいる。

一方、清瀬市は波郷の結核療養の地で、療養中に波郷と市民との交流も生まれた。そして波郷が市立清瀬中学校の校歌の作詞を手がけるほどの関係が築かれていった。

このような「我がまち意識」を次世代に伝えようと2009年、波郷没後40年を記念して市民と行政が実行委員会を立ち上げて石田波郷新人賞がスタート。本誌で連載中の西村麒麟さんをはじめ、現代の俳句界を背負う俳人たちを数多く輩出している。

しかしながら実行委員の高齢化などにより事業継続が困難となり、波郷の第二の故郷である江東区が「俳句の芥川賞」と噂されるほどに育った賞を継承することになった。

清瀬市石田波郷俳句大会の大山恭子副会長(75)は「一番いい形でバトンタッチできました」と胸をなでおろす。

また、砂町文化センターの高山小百合所長は「この栄誉ある賞を継承させていただくことになり、大変光栄に思うとともにその責務の重さを改めて感じています。これまでこの賞を支えてきた皆様に恥じぬよう、新たな一歩をスタートします」と決意を語った。

作品の応募は8月に開始する予定。詳細は砂町文化センター(TEL.03-3640-1751)へ

砂町文化センター公式サイト


※この記事はタウン誌「深川」283号に掲載したものです。