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【屋号ものがたりVol.07】カトレア

元祖カレーパンの味を守り続けたい

元祖カレーパンで有名な『カトレア』は明治10年、飯能市(埼玉県)出身の中田豊吉さんが、深川常盤町でパン屋『名花堂』を創業したのがはじまり。当時は文明開化真っ盛り、西洋文化がもてはやされ繁盛していたが、関東大震災で店は焼失。幸いにも石窯だけが焼け残った。

元祖カレーパンは金曜日は日本橋高島屋、水曜日は浅草松屋のデパ地下でも販売されている

昭和2年、一からの出直しを図った二代目豊治さんが考案したのが、今も店の看板商品でもある元祖カレーパンだ。洋食ブームで人気のカツレツとカレーライスをヒントに当時は「洋食パン」として実用新案まで出願している。

パン生地にたっぷりのカレーを包み、カツレツのように揚げた洋食パンはまたたくまに評判に。昭和32年にはパンだけでなくケーキの製造販売店「カトレア」をオープン。「洋風の店なので洋らんの女王カトレアを店名にしたんです」とは五代目の中田豊隆さん。

五代目の中田豊隆さん

以来、現在の地にパン「名花堂」、新大橋通りにケーキ「カトレア」の2店舗を構えたが、昭和45年に店名を「カトレア」に統一。後にケーキの店は閉鎖し、現在はパンのみを扱っている。

豊隆さんは「目玉商品の元祖カレーパンの味を受け継ぎ、何十年もお客様に喜んでいただくことを守り続けていきたい。私も二代目に負けない新商品をつくりたいと思っています」と、責任の重さとチャレンジ精神をのぞかせる。

以来、現在の地にパン「名花堂」、新大橋通りにケーキ「カトレア」の2店舗を構えたが、昭和45年に店名を「カトレア」に統一。後にケーキの店は閉鎖し、現在はパンのみを扱っている。

豊隆さんは「目玉商品の元祖カレーパンの味を受け継ぎ、何十年もお客様に喜んでいただくことを守り続けていきたい。私も二代目に負けない新商品をつくりたいと思っています」と、責任の重さとチャレンジ精神をのぞかせる。

店では朝の7時・11時・15時に揚げ上がる元祖カレーパンを目当てに行列ができる。代々100年以上続く老舗の五代目は、自ら揚げ立てのカレーパンを一つひとつ丁寧に袋にいれてお客様を出迎えていた。

カトレア 江東区森下1-6-10 TEL.03-3635-1464
7時~19時 日・月曜日定休


※この記事はタウン誌「深川」254号に掲載したものです。