平時はとび箱として使い、災害時には変形(トランスフォーム)してベビーベッドとして使用できるのが「トランスフォームとび箱」。災害時は多くの学校の体育館が避難場所に指定されていることから、すぐに役立つ体育用品として注目を集めている。
この画期的なアイデアは、木材業の若手経営者たちで組織する日本木材青壮年団体連合会と、体育用品などを製造するエバニュー(江東区新砂)が開発。商品化もされている。
日本木材青壮年団体連合会では、地域災害と木材利用をテーマに2018年から「ウッドトランスフォームシステムコンペティション」を開催。洋式トイレに変形する収納棚や物干しになるイス、足湯となるテーブルなど、毎回200件を超えるアイデアが寄せられているという。
「平常時には特別なスペースをとらず、人々の生活や業務活動のなかで有用なものとして役目を果たし、災害発生時には変形することで、被災者の避難所生活や復旧活動を支援する。しかも木造で環境にやさしい製品が、ウッドトランスフォームシステムです」とは、同連合会の長谷川萬治商店(江東区富岡)の長谷川泰治社長。
今年3月からは地域災害への備えと社会貢献を兼ね、長谷川萬治商店がトランスフォームとび箱を区内小学校3校に寄贈。今後は区内全校に贈りたいと話している。
3月29日(火)に寄贈を受けた臨海小学校の有働大悟郎副校長は「とび箱として使いながら子どもたちの防災についての学びにもつながり大変ありがたい。うまく活用していきたい」と感謝していた。
※この記事はタウン誌「深川」265号に掲載したものです。