夏の日差しもまぶしい7月19日(金)、墨田川造船(江東区潮見)で船の門出を祝う進水式が一般公開された。間近に見る進水式は迫力満点! 普段は立ち入ることのできない敷地内では、船を操縦するシュミレーターやロープワーク体験をはじめ、ヨーヨー釣り、輪投げ、かき氷なども無料で提供され、近隣の小学生を中心にたくさんの親子連れで賑わった。
このイベントは日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、日本中小型造船工業会と墨田川造船の共催で実現。次世代の人材確保と育成を目的に、日本各地の造船所で10年以上前から行なわれている。
「全国に60社ある会員の造船所さんと共催し、地域の子どもたちが船と海に親しむ機会として行なっています。墨田川造船は海外に提供する巡視船や日本の消防艇など、アルミで造るむずかしい船を得意としています。地元にこういった大切な産業があることを子どもたちに知ってもらえたら」と話すのは、日本中小型造船工業会の正岡優一さん。
進水式でお披露目された船は、アフリカ南部にあるモザンビーク共和国の海上警察巡視船で、長さ20メートル、幅4.5メートル。日本の進水式は昔から神式で行なわれるのが特徴で、この日も関係者が参列し、神主により厳かに式典が執り行なわれた。子どもたちには船が間近で見られる特等席が用意され、船首のくす玉が割れ、ゴーッと音をたてて船が水面に向けて滑り出すと、子どもたちから歓声があがった。
巡視船はこの後、造船所内の岸壁に係留され、約2ヶ月かけてエンジンなどの取り付けや、仕上げの塗装などを行ない、モザンビーク共和国に引き渡される予定だという。
※この記事はタウン誌「深川」279号に掲載したものです。